いつも読んでいただいてありがとうございます。
こんにちは、島田です。
一昨日は二十四節気の啓蟄。
ついに虫たちも活動を開始する春ですね。
この頃になると、なんとなく何かを始めたくなるのって不思議ですね。
まさに「五行の木」なんですよね(笑)
僕は6年前に分子栄養学に出会って、「これを身につけて鍼灸治療に活かしたい!」と決心したときのあの興奮をいまでも忘れまていません(笑)
患者さんが治療を受けるときのハードル
ところで、患者さんにとって鍼灸や栄養療法を受けるハードルってなんでしょうか?
- 本当に効くんだろうか?
- どれくらいで治るんだろうか?
- トータルで掛かる費用はどれくらいだろうか?
まずはこんなところでしょうか。
栄養療法で「治るのにどのくらいかかりますか?」と聞かれたら、どう答えましょう?
実際、よく聞かれることです。
今回はそんな内容について書いていきますね。
僕の場合、「だいたい3〜4ヶ月を目安に効果の判定をしましょう」と答えます。
変化が見られなかったら、その時点であらためて栄養指導の内容を見直します。
そのことも含めて、最初に患者さんに伝えます。
その理由について書いていきます。
なぜ「3〜4ヶ月」なのか?
この説明には、人間の細胞の数から始める必要があります。
ヒトの細胞の総数は、最新の論文では37兆2千億個とされています。
「An estimation of the number of cells in the human body」という2013年の論文に、 「3.72 × 10の13乗」 と書かれているんですね。
昔は60兆個っていわれてたんですけど…。
一方、赤血球の数は26兆個。 細胞全体の約70%ですね。
赤血球、かなり多いですねー。
ってことはとても大事ってことですね。
そしてさらに、赤血球の寿命は約120日=4ヶ月。
つまり4ヶ月で新しい細胞に入れ替わるってことです。
身体の3分の2が約4ヶ月で入れ替わるってすごいことですよね。
どの本で読んだのかは思い出せないんですけど、「私たちのカラダは、常に新しい部品に取り替えながら走っている車のようなものだ」と。
つまり、部品が壊れてから交換するのではなく、壊れる前にドンドン新しい部品に交換しながら生きていってるってこと。
だから、そう簡単には廃車にならないんですって(笑)
一方、タンパク質のオートファジー(簡単にいうとリサイクルシステムのことですね)的には、1日にタンパク質のおよそ2〜3%が入れ替わっているといわれていますね。
3%とすると、約3ヶ月で体内のタンパク質のほとんどが入れ替わることになるわけ。
やりようによっては3ヶ月前の自分とは別人になれるわけですね(笑)
しかも赤血球には核やミトコンドリアがないんでした。
習いましたよね、脱核。
核がないってことは細胞の設計図がないわけで、途中で構成するタンパク質が入れ替わらないってことです。
つまりできあがったときの状態がすべてということ。
だから、赤血球の産生に関わる栄養はとても大事なんですね。
ちゃんとした赤血球をつくっておかないと、3〜4ヶ月は不良品のままで過ごさなきゃならなくなるからです。
そのあたりをもう少し深掘っていきましょう。
赤血球に必要な栄養
栄養学的には、赤血球に必要な栄養素は結構いろいろあります。
下の図を見てください。 赤血球がつくられる過程で必要となる栄養素を図式化したものです。
ここに書いてある栄養素をだけでも、こんな感じです。
- 三大栄養素ではタンパク質、コレステロール
- ミネラルが亜鉛、鉄
- ビタミンはA、B6、B12、葉酸、E
それ以外に細胞膜は脂肪酸でつくられているので、摂る脂質の種類や質が大事になりますね。
ということで、全細胞の2/3以上を占める赤血球が生まれ変わるのに要する3〜4ヶ月の間、徹底的に栄養を変えれば、カラダは変わる可能性が高いということですね。
実際、44歳まで体外受精でも全然結果が出なかった僕の患者さんが、集中して3ヶ月サプリも使った栄養指導を実践して、バッチリ妊娠しました。
採卵の数も多かったり、着床前診断の結果もOK、妊娠後のつわりも少なく、あまり苦労しないでもう安定期に入りました。
これも、妊娠前、妊娠初期と時期に応じた栄養アドバイスをしているお陰かなと思っています。
サプリメントは効率化の道具
ただしこれは、栄養素を効率的に入れることができるサプリメントを使った場合でのこと。
例えばビタミンCの1カプセルに入っている典型的な量は1,000mg。
これってレモン50個分のビタミンCなんですよ。
そう、「サプリメントは効率化の道具」だと師匠もよく口にしていました。
食事のみで変えようとすると、状況次第ですけど年単位でかかる可能性があるとも伝えています。
サプリは飲みたくないという人も多いので…。
でもよく言うんですけど、栄養療法のゴールは「サプリを飲まなくていい状態にすること」ですからね。
ただし注意して欲しいのは、ビタミン、ミネラルは三大栄養素の摂取量やバランスがキチンとしていてはじめて効果を発揮するので、まずはそちらが最優先だということ。
今回はこの辺で。