僕は毎月、分子栄養学のスキルアップセミナーというのをやっています。 いま来月分の資料をつくってるんですけど、その内容からちょっとだけ紹介させてもらいます。
テーマは「メンタルを栄養で治す!」です。
メンタルと栄養が関係するって知ってましたか?
「えっ」とお思ったかもしれません。
でも、「メンタルは栄養でつくられている」と言っても過言ではないんです。
メンタルを調節しているのは脳内の神経伝達物質だという、モノアミン仮説というのがいまのところ主流です。
例えばうつ病のときに処方されるSSRIやSNRIは、この神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの分泌を調整することで治療しようとする薬です。
シンプルに説明すると、幸せホルモンのセロトニンが増えれば、うつ病が治るってことですね。
分子栄養学的にはそんなに単純な話ではなくて、もっと他にも栄養素の過不足がメンタルに関係しているんですけど、モノアミン仮説についてはいまはそのぐらいの理解で構いません。
こちらも参考になるので、興味のある方はどうぞ。
メンタルのために必要となる栄養素
ところで幸せホルモンのセロトニンの材料は何だか知っていますか? そう必須アミノ酸のトリプトファン。 つまりタンパク質が分解されたものですね。
ということは幸せになるためにはタンパク質が必要だってことになります。
もちろんセロトニンだけじゃなくて、その他にもメンタルを調節している神経伝達物質はいろいろあるんですけど、基本的にその材料はすべてタンパク質なんです。
つまりメンタルを安定させたければタンパク質が必要ってことですね。
もっともタンパク質はたくさん摂れば良いってモノじゃなありません。 吸収がとても重要です。
だって食べてるけど吸収できてないともったいないですよね(笑)
そのために必要な吸収などの話はこちらの記事を読んでみてください。
これがメンタル安定のためのひとつ目の大前提です。
血糖値の安定は必須
次に大事なのが「血糖値が安定していること」です。
もちろんこれだけですべてのメンタルに関わる症状が落ち着くわけではありません。
でもキレやすい子どもとか、イライラしている人の多くは、これがうまくいっていないんです。
どうして血糖値が安定しないんでしょうか? 理由は主に2つ。
ひとつは血糖値の乱高下です。
これは血糖値が上がりやすい甘い飲み物やスイーツ類を摂ることで、血糖値が爆上がりし、インスリンが大量に出て、こんどは血糖値がダダ下がりするという状態です。
血糖値が上がったときは気分が良くなるんですけど、一気に下がったときにはイライラしたり不安になったりします。
血糖値が下がると、上げるためにアドレナリンというホルモンが出てくるのが主な理由です。
これについてはこちらにも細かく書いていますので、参考までに。
そしてもうひとつは、低血糖。
これって特に女性に多いんですよね。
こちらの記事に詳しく書いてあります。
少し低血糖について書いてある部分を引用しておきますね。
ご自分に当てはまらないか、チェックしてみてください。
低血糖の主な症状は以下のとおりです。
- お腹が空いておやつを食べることが多い
- 食後に眠気が襲ってくる
- 痩せ型で筋肉が少ない
そして次ような症状が夕方とか空腹時に出たりします。
- 強い眠気を感じたり、集中力が落ちる
- 手先が震えることがある
- 頭痛がする
じつは、1日の中で最も長く食事を取れない時間、つまり寝ている間に特に低血糖症状が出やすいんです。
そしてこの夜間低血糖によって、睡眠の質が極端に落ちます。
あなたは、睡眠中や起床後にこんな症状があったりしませんか?
- 夜中に何度も起きる
- 寝汗をかくことが多い
- くいしばりや歯ぎしりが多い
- 嫌な夢をよく見る
- 朝起きたときに疲れが取れていない
- 朝から首や肩が凝っている
睡眠時間は、身体を修復するための成長ホルモン(年齢に関係なく分泌されます)が出たり、脳を休めたりするためにとても大切な時間です。
ところが低血糖という非常事態が起こると、何をおいても血糖値を上げなければならなくなって、アドレナリンが分泌され、交感神経優位の状態がつくられます。
これって、もっともリラックスすべき睡眠中に交感神経が優位な「戦うか逃げるか」状態になるわけですよ。
だから、食いしばりも寝汗も嫌な夢も首肩が凝るのも当然です。
ちょっと長くなってしまったので、対策編はまた今度。
メンタルの不調で悩んでいるひとは結構いますけど、いわゆる質的栄養失調が原因の方はかなり多いんです。
もともと分子栄養学は精神疾患の治療が出発点です。
血液データなどが読めると、どんな栄養素が足りないのか、根本的な原因は何なのか、などが分かってとても面白いし、効果が出せます。
興味のある方はぜひ学んでみてください。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。