栄養療法の本質

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。

しばらくメルマガとブログをお休みして、自分の行うべきことについていろいろと考えてみました。

ということで、今回は「栄養療法の本質」について書いてみます。

〇〇を摂れば健康になる!?

よく〇〇を摂れば健康になるとか、痩せるとかいう文言を耳にします。
そもそも、健康ってそんなに簡単なものではないのは、皆さん何となく気づいていますよね!

それなのに、楽な方だったり、美味しい方だったり(本当の意味での美味しさを見失っている気はしますが)、そんな方向に行きがちです。

時代の風潮かもしれませんが、要は楽をしたい。

納豆は確かに良い発酵食品かもしれませんが、納豆を食べれば全員が健康になるのなら、誰も苦労はしないです。
だけど、「納豆さえ食べれば腸内環境が良くなって、ひいては健康になれるのであれば、楽じゃないか」と考えがちです。

腸内環境を良くすることは確かに健康にはプラスだという研究はたくさんあります。
でもすべての人の(様々な細菌類のバランスという意味での)腸内環境は、それこそ千差万別なんです。

だからちょっと腸まで届く乳酸菌や納豆菌を入れたところで、ほとんどの場合定着しない(これを通過菌と呼ぶようです)ので、腸内環境は改善したりしないんですね。

つまりテレビやネットに溢れている「健康にイイ」情報をただ盲信していてはダメなんです。
じゃあ、どうすればいいのか?

健康になるためには問題点を把握する必要がある

健康になったり病気を予防するためには、その人がいま抱えている問題点を解決する必要があります。
それにはまず、その問題点をきちんと把握しなければなりません。
それは西洋医学だろうと東洋医学だろと同じです。

これがちゃんとできていなければそれは医療とは呼べないし、栄養指導としてもほとんど意味がありません。 だから、この部分は医師や鍼灸師、栄養アドバイザーなど専門職の仕事の範疇です。

つまり責任が伴うということ。
知識を積み重ね、アップデートし、臨床経験を積んだプロがやるべきことなんです。

問題点を知らずにただひたすらカラダに良さそうなサプリを増やしていっても、決して健康は手に入りませんし、予防もできないとたくさんの人に栄養指導をしたり栄養療法を教えたりしてきて思うんです。

そして、本質を見極めて解決すべき問題点のほとんどは「生活習慣の改善」に直結しています。
つまり自分で生活(食事も生活スタイルも運動も含めて)を変えなければならないわけ。

さらに、それを実践するためには、ご本人の自覚が必要なんです。
だって本人がやるしかないから…。

そこには、無自覚な言い訳や快楽の追求(現代の食に対する安易な欲求はそう思えてなりません)が入り込む余地はないと思っています。

例えば、「食べたいものを食べて多少命が短くなってもその方が自分らしい生き方だ」という考え方をする人がいます。

であれば、ご自分が選んだその生き方のために不健康寿命が伸びて、寝たきりの時間が長くなっても、そのことに納得するしかないと思うんです。
でも、それがあなたが望む自分らしい生き方なんでしょうか?

食って、そんな大きな影響力がある行為だと思っています。
そう思って真剣に取り組んでいるつもりです。

まずやるべきはマイナスの栄養学

健康になるために食に関して初めにやるべきことがこれです。

どういうことかというと、健康を害するものを極力控えて摂らないようにすることが大前提だという意味です。

足りないビタミンやミネラルを摂ったり、健康にイイと言われる腸まで届く乳酸菌入りヨーグルトを毎日摂ることよりも、身体を害するものを摂らないことの方がよっぽど大事なんです。

摂るべきでないものについては散々書いてきましたけれど、その代表が糖分が多く含まれているジュース類、お菓子、スイーツなどの「甘いもの」や、安易な美味しさを醸し出すために大量に使われている添加物などです。

油の摂り方もとっても重要です。
脂質の質の選び方は、三大栄養素のなかでもっとも健康を左右するといってもいいでしょう。

マイナスの栄養学の最たるものが「断食(ファスティング)」かもしれません。

ファスティングをやったことがない人は「つらそう!」と言いますが、やってみるととっても気分が良くなるし、カラダも軽くなって、何よりもスゴいのは頭が冴えることです。

最近では、間欠的ファスティングという割と楽な方法(1日の中で食事を摂る時間を8時間に制限する「8時間ファスティング」など)が流行っているようですが、それでも実践すれば効果は確実に現れます。

マイナスとして上に挙げたものは、どれも辛そうなことばかりだと感じるかもしれないですが、それはそう思っているあなたが砂糖や添加物まみれの食事に慣れきってしまっているからです。

ハッキリ言って、「中毒」になっています!

そんな人たちは、本当の五味のバランスや味わいを感じられなくなっていると思います。
あなたは人工的につくられた「甘い」という味を「美味しい」と勘違いしていませんか?

どうしてこれを摂らない方がいいのかということに対する説明は分子栄養学的にいくらでもできますが、実際に実践するのはあくまでも患者さんご自身です。

ですから、納得してもらう必要があるんです。
ご自分の今後の人生を最後の瞬間まで充実した状態で過ごすために必要なことだ、と感じてもらえなければ、続けることは難しいでしょう。

そして最終目標は、自分で考えて判断できるようになること。

いつまでも栄養指導を受けるのではなく、自分で考えて、自分のカラダに合ったものを、適量摂ることでカラダが喜んでいることを実感しながら生きていくことが、到達点だと思います。

だって食べたものでカラダできているのだとしたら、食べる=生きるだから、そこを人に頼っていてもつまらないでしょ!

動物としてのヒトとは?

当たり前のことだけど、ヒトは動物です。
植物と動物の本質的な違いって何でしょう?

動かなくても生きていけるのが植物。
動かなくては生きていけないのが動物。

ということは、動物にとって「動けるカラダ」が基本だということです。
だって、動けなければ生きていけないんだから。

すると、(自らへの反省を込めて)一日中パソコンの前に座っているのは、動物としては異常なことだということを改めて認識できると思うんです。

獲物を探せる能力がなくなった動物は、生きていけないんですね。
だから、ジムに行く必要はないと思うけど、せめてカラダを動かしましょう!

どんなに栄養が充実していても、思うように動かせないカラダでは健康とは言えないから…。
分子栄養学の本や論文をたくさん読んできましたが、「最後は運動」と書いてあるものが多いんですよね(笑)

いろいろと思うところがあって、しばらくメルマガやブログをお休みしていました。
そして今回は、そこで湧いてきた自分自身の食や栄養についての「想い」を綴ってみました。

各論的なお話は結構書いてきたので、これからはもっと自分の考えていることを自由に書いていこうと思っています。

良かったら、これからも(毎週は書きませんど)お付き合いください。
今回はこの辺で。

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