いつも読んでいただいてありがとうございます。
突然ですが、卵に含まれている栄養って知ってますか?
確かタンパク質が豊富なはず?
以前はコレステロールが多いからたくさん摂っちゃいけないって感じだった気がするけど…
よく食べる割には意外に知らないですよね。
ということで、今回は卵に含まれている主にタンパク質について、そのアミノ酸組成、健康やメンタルのために果たしている役割などについてのお話です。
卵を食べて幸せになろう!
タンパク質とは何か? なぜ重要なのか?
タンパク質はアミノ酸で構成された長い分子の鎖が連なってできています。
カラダでは、わずか20種類のアミノ酸を複雑に組み合わせて、体内の10万種類もの異なるタンパク質をつくり出しています。
食事から摂ったタンパク質はアミノ酸に分解されて吸収されると、筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などの材料として使われるだけでなく、ホルモン、代謝酵素や消化酵素、免疫物質、酸素や水分・銅・脂質などを運ぶ輸送タンパク質などになって、さまざまな働きをしています。
もちろんエネルギー源としても使われます。 炭水化物と脂質とタンパク質は、どれもエネルギーとして使えるので三大栄養素っていうんでしたね。
20種類のアミノ酸のうち、食べ物からしか摂取できないものを必須アミノ酸とよび、これは9種類あります。
皮膚や髪、爪、内臓、筋肉などカラダの材料になるものの中心がタンパク質ですけど、髪の毛や爪が毎日少しずつ伸びるように、タンパク質はカラダの中で日々つくり替えられています。
カラダのタンパク質は合成と分解が繰り返されていて、「動的平衡状態」にあるといわれれます。
東洋医学のカラダのとらえ方もまさにこれです。
カラダの材料である気・血・水は、不足していないだけじゃなくて、停滞しないでスムーズに流れていることが大事だって考えますからね。
体内での合成と分解のつり合いをとるには、食事からのタンパク質の摂取が必要になります。
髪や爪が伸びるように体タンパク質はドンドン新しくつくられますが、抜け落ちて失われるものもあるわけです。
また、髪や爪のような目に見えるものだけでなく、筋肉や臓器などの一部は分解されて体外へ排泄されているんです。
もちろんオートファジーというタンパク質のリサイクルシステムも存在しますが、基本的にタンパク質は食べ溜めが効かないものと思っておいた方がいいようです。
卵にはどのくらいのタンパク質が含まれているのか?
さて、卵1個には、どのくらいのタンパク質が含まれているかというと、平均して6~7gです。
通常、摂取すべきタンパク質の推奨量としては、体重1kgあたりのグラム数で表現されますが、日本人の食事摂取基準では、1日の推奨量は18~64歳の男性は65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は50gとなっています。
また目標量とされるのは、男女ともに1〜49歳で摂取エネルギーの13~20%です。
カラダをつくる元になる大事な栄養素なので、以前書いた下の記事のように、タンパク質の必要量が足りまで食欲が収まらないということが起きるんでしょうね。
付け加えると、妊娠中の女性のタンパク質の推奨摂取量は1日あたり約75~100グラムに増えます。
この余計に摂ったタンパク質は、胎児の組織の発達、胎盤と乳房の拡大、血液供給の増加などにとって不可欠なんです。
ところで、卵は低コストで上質なタンパク質を豊富に含むとても優れた食品です。
ビタミンB12、亜鉛、コリン、セレン、ビタミンA、ビタミンK、鉄、銅などの微量栄養素やビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンの密度が高く種類も多いので、これらがカラダに持続的なエネルギーを与え、認知力を向上させたり、生殖能力や胎児の発育を改善する効果があることが分かっています。
植物性タンパク質との比較
次に、卵に含まれるタンパク質のアミノ酸の組成を見てみましょう。
植物性食品のタンパク質と比較すると、卵のタンパク質はさまざまな点で優れています。
その理由は、9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいる動物性食品で、アミノ酸スコアは100点満点なんです。
とてもバイオアベイラビリティ(生物学的利用能あるいは生体利用率)が高い食品だといえます。
さらに、筋肉をつくり、またその回復のために必須のアミノ酸であるロイシンを多く含んでいます。
満腹感を高めてくれて、ダイエットにも役立ちます。
ただし、植物性のタンパク質を摂らなくていいということではないんです。
植物性のタンパク質も取る必要がある理由には、次のようなものがあります。
確かに動物性タンパク質の代表であるホエイは筋肉合成を促進する効果が高いのですが、ソイ(植物性タンパク質)は筋肉分解を抑制する効果が高いことが分かっています。
ですから両者を同時に摂取することで、タンパク質を効率的に吸収することができるわけです。
しかも最近では、筋肉量の増加に対する大豆(ソイ)タンパク質と動物タンパク質の補給の効果に違いはないことも報告されています。
ですから、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の同時摂取は、一種類のたんぱく質のみを摂取するよりも効率的に体内に吸収され、筋肉の萎縮を抑制する傾向があるということなんです。
卵に含まれるアミノ酸
卵のタンパク質には、9種類の必須アミノ酸がすべて含まれているほか、チロシン、グリシン、トリプトファンといった非必須アミノ酸も含まれています。
チロシンとグリシンは非必須アミノ酸ですけど、非常に重要な条件付き必須アミノ酸なんですです。
栄養学の用語で「条件付き必須」とは、基礎疾患やそれを妨げる状態がない限り、カラダが生きていくのに十分な量を自力で生成できることを意味します。
それぞれの具体的なはたらきを見ていきましょう。
チロシン
ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンなどの神経伝達物質の生成に重要な役割を果たすアミノ酸です。
卵2個で、1 日の推奨摂取量の57%のチロシンを摂取できます。
これらの神経伝達物質には次のような働きがあります。
- 特にストレスのかかる状況において認知機能を高める
- 気分を調整する
- ストレスへの対応をサポートする
- 甲状腺機能を改善する
グリシン
卵に含まれるもうひとつの大事な条件付き必須アミノ酸はグリシンです。
卵2個には432mgのグリシンが含まれており、これは1日の推奨摂取量の23%に相当します。
グリシンは体内で栄養素、特に脂肪を分解して輸送するのに役立ちます。
人間のカラダは他のアミノ酸やビタミンの合成によってグリシンを生成することができるんですけど、通常の食事条件下では十分な量のグリシンを生成できないので、食事からいくらかのグリシンを摂取する必要があることが研究でわかっています。
研究によると、グリシンには次のような効果があることが分かっています。
- 筋肉量を増やすために不可欠である
- 精神の健康をサポートし、抗うつ剤として作用する
- 健康的な睡眠を促進する
- 血糖値を調節する
- パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経疾患に良い影響を与える
- 胃潰瘍を予防する
- 脂肪の消化を助ける
その他、グリシンはグルタチオンのレベルを回復するのに役に立ちます。
グルタチオンとは、体内のほぼすべての細胞をフリーラジカルによるダメージから守る強力な抗酸化物質です。
トリプトファン
卵2個には167mg のトリプトファンが含まれていて、1 日の推奨摂取量の60% に相当します。
トリプトファンはセロトニン、メラトニン、NADなどの生成に重要な役割を果たしていて、次のようなメリットがあります。
- 気分調節
- うつ病の軽減
- 学習能力の向上
- 記憶力の向上
- 視覚認知機能の向上
- 攻撃的行動の抑制
- 季節性情動障害の軽減
- 月経前の不快感を軽減
卵アレルギーについて
日本では卵の消費が多いため(新鮮な卵が安く流通していることが大きな理由でしょう)、食物アレルギーの中では卵アレルギーが最も多い割合を占めているといわれています。
鶏卵のアレルゲンの多くは、卵白に含まれる「オボアルブミン」と「オボムコイド」というタンパク質です。
このうちオボアルブミンは、加熱するとタンパク質の構造が変化してアレルゲンではなくなりますが、オボムコイドは熱や消化酵素の影響を受けにくく、アレルゲン活性を失わない耐熱性卵蛋白です。
基本的に、極度の卵アレルギーを除けば、卵黄にはアレルゲン活性はないといわれています。
ただし、いくら優秀なタンパク源だからといっても、毎日何個も食べ続ければアレルギーを起こす可能性が高くなるのは当然です。
週に1、2日は卵フリーの日を設けたほうがよさそうですね。
最後にもうひとつだけ。
卵白に含まれているアビジンという成分は、ビオチン(ビタミンB7)と結合して排泄してしまうためにビオチンの欠乏状態を生じやすいんですけど、ビオチンは育毛を促進するため、欠乏すると脱毛や湿疹の原因になります。
加熱するとアビジンとビオチンが結合しにくくなるので、髪の毛が気になる方は卵は加熱調子して摂りましょう。
今回はこの辺で。
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