いつも読んでいただいてありがとうございます。
前々回のブログ「じつは添加物より〇〇の方が問題」はもう読んでくれましたか?
〇〇に入るのは、ビタミン・ミネラル不足でした。
まだ読んでいない方は下のリンクからどうぞ。
ところで患者さんで「まぶたがピクピクする」って方、結構いませんか?
今回は、そんな方にオススメのミネラルとその摂り方のお話です。
まぶたピクピクの原因は?
まぶたがピクピクする原因はなんでしょう?
日本眼科学会の公式サイトにはこんなふうに書かれています。
まぶたがピクピクと痙攣している状態を眼瞼ミオキニアと言います。
まぶたにある眼輪筋という筋肉が不随意に攣縮している状態です。
通常片眼性であり、睡眠不足、肉体的精神的疲労、ストレスなどによって起きると考えられています。
数分から数時間で自然に軽快することが多く、休息や睡眠により改善します。
睡眠をしっかり取ったり、ストレスが解消されれば治るということですね。
それでも治らないときには、栄養面から考えてみましょう。
これは眼輪筋という筋肉の痙攣です。
筋肉は栄養的に見るとカルシウムとマグネシウムのバランスで収縮と弛緩がコントロールされています。
カルシウムは緊張させる方向に働き、マグネシウムは弛緩させる方向に働きます。
この2つのミネラル、バランスがとっても大事なんです。
これをカルマグバランスなんて呼んだりします。
日本人の多くは、マグネシウム不足だという報告があります。
実際に厚労省の実施している国民健康・栄養調査でも、かなり足りていないのがわかります。
マグネシウムが足りないと、筋肉は緊張傾向になって、ピクピクと痙攣しやすくなるというわけです。
つまり栄養学的にみると、まぶたピクピクはマグネシウム不足の可能性が高いんです。
他にもこむら返りや首肩凝り、高血圧など、マグネシウム不足で起こる可能性のある病気や症状はいろいろとあります。
鍼灸でも治るんですけど、結局のところマグネシウムが不足したままだと、また起こってしまう可能性が高いので、栄養でキチンと対処したいですね。
マグネシウムってどんなミネラル?
少しマグネシウムについてみていきましょう。
マグネシウムは人体のすべての細胞に広く分布していて、約50~60%は骨に、血中には1%程度存在しています。
血中のマグネシウムが不足すると、恒常性がはたらいて骨からマグネシウムを取り出し、常にマグネシウムの量を一定に保とうとします。
マグネシウムはカラダの300以上の酵素反応にかかわっている大事なミネラルです。
そのはたらきを具体的に挙げると、次のようなものがあります。
- タンパク質の合成
- 神経伝達のコントロール
- 心機能の維持
- 筋肉の収縮と弛緩
- 血圧の調節
今回のまぶたピクピクは、筋肉を緩める作用が関係しています。
また、マグネシウムはエネルギーをつくる過程でも大切なミネラルですから、足りなくなるとエネルギー不足になって、疲れやすくなったりしますので注意が必要です。
マグネシウムと骨の関係については、過去にブログを書いているので興味のある方はそちらもそちらも読んでみてください。
マグネシウムが足りなくなる原因は?
まず、摂っていないと足りなくなるのは当たり前ですね。
マグネシウムを含む食品は後で紹介しますが、これらを取ることは大前提です。
ところがそれ以外にも摂る量が不足する理由がいくつかあります。
まずは水。
日本の水はほとんどが軟水です。
軟水か硬水かという区別は、じつはカルシウムとマグネシウムの含有量によって分けられています。
日本の水はほとんどが軟水なので、水からのマグネシウム摂取はあまり期待できないということになります。
2つ目は塩。
以前は塩をつくるのに海水を煮詰めていたので、海水に存在するマグネシウムが含まれていました。
ですがいまは、99.9%塩化ナトリウムの食塩がかなり多くなっていて、それではマグネシウムを補給するには不適切です。
海水を煮詰めてつくった塩を使うように心がけるといいと思います。
味もまろやかになります。
3つ目は豆腐。
以前は豆腐を固めるのにニガリを使っていました。
ニガリにはマグネシウムが豊富に含まれていたので、これが日本人のマグネシウム源のひとつになっていたんですけど、いまは塩化カルシウムという凝固剤で固める豆腐もけっこう出回ってい流ので困ります。
摂っても吸収できないと、マグネシウム不足になります。
マグネシウムはミネラルで、吸収が悪いんです。
酸化マグネシウムは下剤として出されますけど、あれって「吸収が悪い=下痢をする」という図式なんですね。
胃酸の出が悪かったり胃薬を常用していたりすると、ミネラルの吸収が悪くなります。
そういう人は、以前に書いた下の記事で「胃酸の出を良くする食べ方」を実行してみてください。
マグネシウムはストレスやアルコール、添加物、糖質を摂ることで消耗するので、気をつける必要があります。
特に添加物にたくさん使われているリン酸塩がミネラルと結びついて排泄しちゃうでしたね。
これについては上でも紹介した前々回のブログに書いてあります。
ストレスによって尿中に排泄されてしまうカルシウムとマグネシウムの量が増えるという報告もあります。
ストレスを減らすためにキツくない程度の適度な運動を心がけましょう。
摂っても排泄されちゃうともったいないので、気をつけてください。
マグネシウムってどうやって摂ればいいの?
最後にマグネシウムの摂り方について書いておきます。
オススメは「ニガリ」。
スーパーなどで売っているので、飲み物やスープ、ご飯を炊くときなどに1日に20滴くらいを目安に摂ってみてください。
量については、マグネシウムは吸収が悪い反面、あまり過剰症を気にしないで摂れるミネラルなのでわりと安心です。
75歳女性の患者さんにニガリを勧めたところ、眼瞼痙攣が数日で治ったと喜ばれました。
ご本人は定期的に鍼灸治療に通ってきているのですが、それ以後はまったくピクピクしないとのことです。
ニガリで下痢をするという人は、エプソムソルトという入浴剤を入れてじっくりお湯に浸かりましょう。
マグネシウムは皮膚からも吸収されるんです。
その他、最近ではマグネシウム入りのクリームなどが出てきています。
全身のマグネシウム不足に対する効果はいまひとつかもしれませんが、ふくらはぎなどがマグネシウム不足でつってしまうことが多い人は、あらかじめ寝る前などに局所に塗っておくと良いですよ。
このクリーム、首や肩の凝っているところに塗ってマッサージするという使い方もオススメです。
そして、牛乳を飲むのは控えましょう。
理由は以前のブログに書いた通りです。
マグネシウムが多く含まれている食材は、大豆、魚介類、ナッツなどですので、これらの食品をしっかり摂るようにしましょう。
まとめ
最後に、箇条書きにしてポイントをまとめておきます。
- まぶたピクピクはマグネシウム不足の可能性がある
- マグネシウム不足は首肩凝りや高血圧の原因にもなる
- マグネシウムには筋肉や血管を緩める作用がある
- マグネシウムは、胃が弱かったり添加物の多い食事、ストレスなどで足りなくなる
- マグネシウムを取るにはニガリやエプソムソルトがオススメ
今回は以上です。
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