油はとっても大事だよ

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。
今回はのお話。

三大栄養素の脂質のことだから、とっても大事です。

ところで、油を摂ったら太るとかカラダに悪いと思っている人はまだまだ意外に多いですね。
よく患者さんにも言うんですけど、油を摂って脂肪になるなら、牛肉を食べたら牛になりますね(笑)

太るのは、過剰に摂った糖質です。

インスリンによって余ったブドウ糖は脂肪(中性脂肪)に変換されて、もしものとき(食べるものがない状態)に対する備えとして備蓄されます。

油はサプリ

まず大前提として三大栄養素でカラダを変えるためにまず取り組むべきは、油の質と量です。
油は取る量と質に注意が必要です。

そして油を変えると、カラダが変わります

私の師匠である医師の宮澤賢史先生がいっていましたが、「油はサプリ」です。
だって自然界には油の状態では存在しないでしょう。

油に関して是非とも覚えておいてほしいことは、調理などに使ういわゆる「油」は見える油で、摂取している油の20%でしかなくて、それ以外の80%は食品などに含まれている見えない油だということですね。

これは油の摂り方を考えるときにとても大事です。

良い油と悪い油

前置きが長くなりましたが、良い油と悪い油についてみていきましょう。

まず摂ってはいけない油は、トランス脂肪酸
これって日本を除くほとんどの先進国では使用禁止または表示義務があります

多く含まれているのは、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドとそれらを原材料に使っているパンやケーキ、ドーナツなどの洋菓子や揚げ物などです。

それから控えた方がいい油は、サラダ油

これって油の種類でいうとリノール酸っていうものがメインで、オメガ6系の不飽和脂肪酸っていう種類になります。

オメガ6系の油は必須脂肪酸といって体内でつくれないので食品から摂るべきなんですけど、足りてない人はほぼいないといわれていて、しかも炎症を増長する傾向があるので、控えたいんです。

良い油は、皆さんよくご存知のオメガ3系の油

これも必須脂肪酸ですけど、摂っている量が少ないので積極的に取りたい油です。
炎症を抑えてくれるというのが摂るべきいちばんの理由ですね。

肥満が炎症をまねく

栄養学系に限らずいろいろな論文を見ていて思うのは、慢性炎症が生活習慣病のもっとも大きな原因になっているということ。

そして脂肪細胞の肥大化(つまり肥満のことね)によって炎症性サイトカイン(「炎症を起こせ」という情報をカラダに伝える物質)が全身へバラまかれるということが分かっています。

簡単にいうと、太ると炎症体質になるってことです。

それ以外にも慢性炎症によって起こる弊害があります。
それがコルチゾールの持続的な分泌

コルチゾールというのは、お薬でいうとステロイドのこと。
これって副腎という臓器でつくられるホルモンで、炎症があるとそれを抑えるためにバンバン分泌されます。

細かい機序はここでは書きませんけど、慢性炎症がずっと続いているこのコルチゾールが出なくなってきて、いわゆる副腎疲労という慢性疲労の状態になります。

これも嫌ですよね。
ちなみにストレスでもコルチゾールは分泌されるので、同様のことが起こります。

炎症という意味では、オメガ3系の効果としては抗炎症体質になれることがとっても大事。
それ以外にも、インスリン抵抗性の改善(つまり糖尿病が良くなるという効果)がみられたという論文もあります。

EPAとDHA

オメガ3というと話題になるのがEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)。
この2つのの違いをザックリとだけ説明しておきます。

まず今回話題にしている炎症対策にはEPA

最近スーパーでも気軽に買えるアマニ油やエゴマ油は、α-リノレン酸という種類の油が多く含まれているんですけど、これは体内でEPAやDHAに変換されます。

変換率はEPAが約21%で、DHAが約9%とされています(日本微量栄養素情報センターより)。
慢性炎症対策に使うならこれでOKですかね。

サラダ油に多く含まれるリノール酸は、α-リノレン酸からEPAへの返還率を下げるといわれているので、サラダ油を減らしながらα-リノレン酸を積極的に摂ることが大事です。

そして脳の問題(頭をよくしたいなら)にはDHA

DHAはオメガ3系の油のなかで血液脳関門を通過できる(つまり脳まで到達できる)唯一の脂肪酸なんです。

これについては、以前書いた下記の記事をよく読んでみてください。
これって別に子供のためだけじゃなくて、認知症の予防などにも効果があると考えていいです。

油の摂り方のまとめ

最後に油の摂り方について簡単にまとめると、下記のようになります。

  • トランス脂肪酸を多く含む食品を控える
  • サラダ油を控えるようにする
  • アマニ油やエゴマ油、魚(特に青魚)の油を積極的に摂る

油はサプリなのでカラダへの影響が大きいです。
だから健康になりたければ、まずは油の摂り方を変えてみましょう!

最近メルマガに登録してくれた鍼灸師の方へ

最近、少しずつメルマガに登録してくれる鍼灸師の方が増えています。
そこでまず読んでほしい記事をいくつか紹介しておきますね。

患者さんへの栄養アドバイスの参考にするキッカケになるかもしれません。
本サイトのブログ記事は、今回の記事で57本目になりますので、結構読み応えがあります(笑)

今回は以上です。

タイトルとURLをコピーしました