やっぱり牛乳を飲むほど骨折が増える

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。
今回は「牛乳のデメリット再び」な感じで、緊急報告です。

乳製品と骨折リスクについての論文

最近(2023/9/11)、こんな論文が出ました。

前向きコホート研究における乳製品摂取量と股関節骨折のリスク
医療系のニュースでも取り上げられていますね。

「前向き研究」とは、疫学調査法の一つで、容疑要因に暴露したものと暴露しないものをあらかじめ定義された集団から選び、将来に向かって問題とする疾病の発生を観察して、両者の発生率を比較する方法で、コホート研究(Cohort Study)あるいは追跡研究(follow-up study)ともいう、ということ。(日本救急医学会)

この研究の場合は、乳製品を摂った人とそうでない人で股関節骨折の発生率を比較したことになります。

結論から先にいうと、「牛乳は飲むほど骨折が増える」です。

具体的には、400 g/日の摂取量まで段階的に股関節骨折のリスクが増加し、200 g/日の股関節骨折のリスクが 7 % 高くなり、400 g/日では 15 % 高くなってピークに達します。

まずは、「牛乳を飲むと骨が強くなる」という常識を改めましょう。

分子栄養学界隈で言われていたこと

ほらね(笑)

これでも給食で牛乳飲ませるんでしょうか?
入院食で朝からご飯と牛乳出すんでしょうか?

分子栄養学の世界では、かなり以前から「牛乳は飲む必要ないよね」と言われていました。
それはなんとなくではなく、論理的にです。

その辺については、以前に当ブログで書いているので、読んでない人はこちらをどうぞ。

簡単に理由をまとめておくと、下の3つです。

  • 日本人には乳糖不耐症が多い
  • 牛乳のタンパク質がヒトに合わない可能性が高い
  • 牛乳を飲むと骨がもろくなる可能性がある(カルマグバランスが悪い)

さらに言えば、牛乳を学校給食で飲ませるようになってから、いろいろなアレルギー(特にアトピーなど)が増えたという意見もあります。

カルシウムを摂るなら、他にもっと良いものがたくさんあるし、マグネシウムが足りなくならないように注意しましょう。

ヨーグルトやチーズはどうなのか?

分子栄養学では、ヨーグルトのカルシウム・マグネシウムバランスが牛乳同様に悪いことと、カゼインという難消化性のタンパク質を含んでいるので腸に悪い可能性があるという理由で、ヨーグルトもあまり取らない方がいいといわれています。

ですが、こと骨折に関しては、この論文ではヨーグルトとチーズは骨折リスクと逆相関(骨は弱くならない)であると結論づけています。

なぜですかね?
牛乳とヨーグルト、チーズの違いは、単純に考えれば発酵を使っているかいないかの違いですよね。

発酵という調理方法は、人類の知恵が生み出した素晴らしいノウハウだと以前からとても興味をもって勉強してきましたので、そこはなんとなく頷けるところです。

ちなみに発酵のメリットって結構あるんですよ。
ちょっとまとめておくと、こんな感じです。

  • 保存性が高まる(腐敗しにくくなる)
  • 栄養(ビタミン類など)がプラスされる
  • 美味しくなる
  • 消化しやすくなる
  • 腸内環境が良くなる
  • 抗酸化作用がある

そして、日本は世界一の発酵大国ですから、日本の発酵食である漬物や味噌、醤油などを食事に積極的に摂り入れましょう。

ちょっと気をつけたいのは、食後にお腹がけっこう張るという人。
発酵食を控えてみて張りが楽になるなら、SIBO(小腸内細菌異常増殖症)かもしれません。

骨を強くしたいなら…

最後に骨を強くするために栄養学的にすべきことをまとめておきましょう。

骨の材料はカルシウムだけではありません。
なによりも大事なのはコラーゲン
そしてコラーゲンの材料は、タンパク質、ビタミンC、鉄です。

タンパク質は摂り溜めができないので、毎食こまめに摂りましょう。
タンパク質と鉄は吸収のために胃が重要です

摂るだけじゃなくて、胃酸が出やすい食べ方を実践してください。
以前の記事に書いてあるので、こちらを参考にしてくださいね。

骨のためにはカルマグバランスが大事なので、カルシウムを摂るよりマグネシウム不足を解消しましょう。

何度も書いているので聞き飽きているとは思いますが、カラダのなかで行われる300以上の代謝反応の補酵素として使われているので、とっても大事です。

エネルギーをつくる過程でも大切なミネラルですから、足りないとエネルギー不足になって疲れやすくなったりしますので、注意しましょう。

簡単に摂る方法は、飲み物に1日に20滴くらいを目安にニガリを入れること
マグネシウムは吸収が悪い反面、過剰症を気にしないで摂れるミネラルなのでわりと安心です。

ニガリで下痢をするという人は、エプソムソルトという入浴剤を入れてじっくりお湯に浸かりましょう。
マグネシウムは経皮吸収されるんです。

ただし、マグネシウムはストレスやアルコール、添加物、糖質を摂ることで消耗するので、せっかく摂っても減らさないようにすることも大事です。

今回はこの辺で。

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