代謝が悪いとはどういうことか?

東洋医学×分子栄養学

歳をとって代謝が落ちてきたとか、代謝が悪いからなかなか痩せられないという人は結構多いと思います。
ですがこの「代謝」って、なんだか分かってますか?
わからないと上げられませんよね(笑)

ということで今日は「代謝ってなに? 代謝が悪いってどういうこと?」について、次回は「代謝を上げるためには何をしたらいいの?」について、2回連続で書いていきます。

中年以降の人、必見(笑)

代謝とは?

まず、代謝をわかりやすく一言でいうと「AをBに変えること」です。

私たちは食べたものや吸った空気を材料にして、カラダをつくったり、動くためのエネルギーを生み出したりしています。

これって全部、あるものAをBに変えることで行ってるってこと。
それによってカラダやエネルギーをつくったり、毒を解毒したりなどと、いろいろやってるんです。

その代謝を全体的にみたとき、いちばん大事なのが基礎代謝
基礎代謝は生きていれば消費されるもので、全体の約60%を占めています。

歳を取るとここが落ちてくるので、同じものを食べてもお腹の周りの浮き輪がドンドン大きくなるってことですね。

アルコールの代謝を見てみる

AをBに変える代謝の具体例を見てみましょう。

例えばアルコール
これってそのままだとカラダにとって毒なので、無毒なものに変えなきゃいけません。

最終的には水と二酸化炭素になるんですけど、その過程で必要なものがいろいろあります。
ちょっとその流れを追ってみましょう。

口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分が肝臓で処理されます

肝臓では、まずADH(アルコール脱水素酵素)やMEOS(ミクロゾームエタノール酸化系)によって分解されてアセトアルデヒドになります。

これ、悪酔いや頭痛などの原因になる困ったやつです。

さらに肝臓のALDH(アルデヒド脱水素酵素)によって、酢酸に分解されます。
この酢酸は血液によって全身をめぐって水と二酸化炭素に分解され、汗や尿、呼気中に含まれてカラダの外へ出されるんです。

飲んでるときは楽しいけれど、カラダのなか(特に肝臓)は結構大変なことになってるんです(笑)

代謝には酵素と補酵素が必要

ここに酵素がいくつか出てきましたね。
代謝というのは、酵素がないと前へ進みません

酵素はタンパク質でできています。
これが最も重要。

でもこの反応にはまだ必要なものがあります。
酵素の反応をお手伝いする補酵素です。

アルコールの代謝に必要になる補酵素は、ビタミンB群やビタミンCなどです。

もうわかりましたか?
そうなんです!
代謝が落ちている人は、酵素や補酵素が足りてないんです。

どうやって解決するか?

「じゃあサプリでプロテインやビタミンなどを摂ろう」と思ったあなた。
惜しいです!!

足りなくなる理由がわからないのに、むやみに摂ることは解決になりません。
モテない理由を考えずに、そのままむやみにアタックするようなもんです(笑)

では何をチェックすればいいのか?

それを考えるために、栄養素が不足する理由の下の3つについて考えてみましょう。

  • 摂っていない
  • 摂っているけど吸収できていない
  • 摂っていて、吸収もできているけど、ムダに消費(浪費)している

食べていないなら食べよう

食べていないかどうかは、食事の内容をチェックすればわかりますね。
患者さんに、食事記録を1週間分とか書いてきてもらえば、一目瞭然です。

もちろんこの3日間くらいの食事内容を尋ねてみてもいいですけど、意外と食べたものをきっちり覚えている患者さんは少ないです。

摂っている量が少ないようなら、すぐに「食べてください!」ではなく、「なぜ食べていないのか?」を聞きましょう。

食べたらお腹が張るからとか、めんどくさいからとか、患者さんなりのいろんな理由があるので、それをじっくり聞き取りましょう。

つまり傾聴です。

その上で、患者さんに合った解決方法を見つけ出して、アドバイスしましょう

吸収できない理由は?

食べているけど吸収できてないって、もったいないですね。
その理由をチェックして、吸収できるようにしなきゃいけません。

タンパク質なら、いつも書いている「胃酸」の問題が大きいかもしれません。
胃酸が出にくくなるのはタンパク質が足りないから、という堂々巡りになっている場合もありますね。

そんなときには、タンパク質を胃酸がなくても吸収できる形(アミノ酸のBCAAとかEAA、グルタミンなど)で摂ってもらって、胃酸が出るカラダをまずつくることを当面の目標にしましょう。

消化酵素のサプリ(これは日本のサプリにはありませんから海外のもので探す必要があります)を使うのもひとつの方法ですね。

と同時に、サプリやアミノ酸を摂らなくてすむようになる時期をキチンと見極めて、アドバイスしてあげることも大事です。

浪費の理由はなんだろう?

食べていて、吸収もできているのに、浪費しているのも困りものです。
その理由を考えて、浪費グセをやめないといけません。

例えば代謝の補酵素としてとても大事なマグネシウム。
これをムダに消費したり、吸収を阻害するものはいろいろあります。

まず挙げられるのが、添加物に含まれているリン酸塩やアルコールなどです。

それ以外には、シュウ酸(ほうれん草やトマト、ピーマン、ヤマイモ、青いバナナなどに多い)やフィチン酸(小麦、玄米などの穀物や大豆など豆類、豆腐に多い)によっても吸収を阻害されます。

また、他のミネラル(鉄、カルシウム、リン、亜鉛、ナトリウム、カリウムなど)の過剰摂取によっても吸収が阻害されるんです。

あと、ストレス
これもマグネシウムを減らす大きな要因のひとつですね。

こういう浪費や吸収阻害の原因を突き止めて、改善するのも栄養アドバイスのお仕事です。
今回はここまでにします。

次回は代謝を上げる方法についてです。
楽しみにしていてくださいね。

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