妊活はまずタンパク摂取から始めるべき

東洋医学×分子栄養学

いつも読んでいただいてありがとうございます。
今回は「妊活のはじめ方」について書いてみます。

妊活専門の鍼灸院も結構あると聞きます。
鍼灸はもちろん妊活に対する効果がとてもあると思うんですけど、それに加えて栄養指導をキチンと行うことで治療効果はかなり上がります

今回は、妊活を始めるにあたってまず必要となる栄養素について書きます。
今回の記事を妊活治療の参考にしていただければ嬉しいです。

体外受精で生まれる子どもは増えている

先日、次のような報道がありました。

2021年に体外受精で生まれた子どもは過去最多の6万9797人で、前年から9416人増えたとのこと。

国内全体の出生数が減るなかで、体外受精の治療件数は16年から約45万件でほぼ横ばいとなっていたが、21年は49万8140件に増えたというのです。
出産年齢別では、39歳が3万9631件と最多で、40歳、41歳と続いています。

厚生労働省の統計では21年の総出生数は81万1622人で、11.6人に1人が体外受精で生まれたことになります。
20年は13.9人に1人だったので、体外受精で生まれた子どもの割合はかなり増えてきています。

30人の教室のなかに、体外受精で生まれた子が3人もいるという状況なんですね。
時代は変わるものです。

妊活中の女性に足りない栄養素

妊活中の女性に栄養アドバイスをする場合に、まず何をするべきかを考えるときに、彼女たちの置かれている状況について考えましょう。

上の記事にもありましたけど、体外受精での出産年齢は40歳前後
つまりそれくらいの年齢の方がどういう状況にあるのかを考える必要があります。

ある程度まで仕事を頑張って、家事と両立し、キャリア的にも少し落ち着いてきて、金銭的にも余裕が出てきたといった状態でしょうか。

栄養学的には、副腎疲労とか低血糖の状態の方がとても多い印象ですね。
いままで様々なストレスに耐えながら頑張ってきて、カラダが無理がきかなくなっている状態です。

ひどい場合は、睡眠というより気絶、つまり寝ても疲労が回復できていない方などもいます。

そんな方たちを想定して、妊活中の女性に足りていない栄養素は何かを考えてみます。
まずは、カラダをつくる材料であるタンパク質とエネルギーをつくるのに必要な鉄ですね。

これって実は、妊活中に限らず閉経前の日本人女性全般に言えそうなことです。

でも明らかに足りていなさそうな患者さんに尋ねてみても「私、タンパク質ちゃんと摂ってます!」と言います。

どういうことかというと、

  • 最適な摂取量がわかっていない
  • 摂ってはいるけど吸収が悪い

ということです。

水分を除いたカラダの半分くらいはタンパク質でできています。

タンパク質は、皮膚や髪の毛、筋肉を作るだけではありません。
ホルモンや免疫物質などといった、身体を調整する大切な物質の材料にもなっているんです。

ですから、このタンパク質が足りないと妊娠どころではないんです。

まずは簡単なことから始めよう!

ではどうしたらいいのか?
まずはタンパク質を摂る量を増やすために、ちょっとした簡単にできることから始めてみてください。

例えば…、 おにぎりにかつお節やジャコを混ぜる。
かつお節もジャコもタンパク質メインの食材です。

スープにを1個落とす。
卵はアミノ酸スコア100点満点のタンパク質の優等生です。

豆腐や納豆、かまぼこなどをプラスする。
豆腐や納豆などの大豆食品で植物性のタンパク質を摂ることも大事です。

おやつなどでは、スイーツじゃなくてさきイカをかじる(笑)
イカにはタウリンという肝臓に良い栄養素も含まれていて、オススメです。

こんなことなら、すぐにできますよね。
そんな日々の積み重ねで、少しずつカラダは変わっていくんです。

手っ取り早く「プロテインを摂ればいい」と考えがちですけど、それではダメです。
プロテインもタンパク質なので、吸収のことを考えないといけないからです。

治療者側からで言えば、胃の状態をチェックして、弱いようなら次に書く胃酸のケアをアドバイスすべきです。

胃酸が大事

そこで次は、胃酸の出が悪くて吸収ができていいない人へのアドバイスです。

タンパク質や鉄は、じつは吸収があまり良くないんです。
胃の動きが悪かったり、胃酸の出が悪いと吸収力が落ちます。

そして日本人は胃の弱い人がとても多いので、注意が必要です。
せっかく摂っても吸収されないともったいないですよね!

そこで簡単な胃酸の出を良くする(胃にやさしい)方法を紹介します。

  • 胃酸が薄まらないように、食事中の水分は控えめにする
  • 胃酸が出やすいようにレモン水、梅干し、お酢や酢の物を食前に食べる
  • 消化を助ける大根おろしや山芋などを生のまま摂る
  • ステーキなどの塊の肉ではなく、そぼろやハンバーグにする
  • 一口30回以上、よく噛んで食べる

鉄は難しいのでキチンと状態を見てから

今回は鉄についてはあまり書いていません。
その理由は、いろいろなブログに書いています。

鉄の扱いは難しいからです。

カラダの代謝の邪魔をする慢性炎症を起こしやすいこともその理由のひとつです。
炎症の状態を落ち着かせてから出ないと、むやみに鉄は摂りたくないですね。

腸内環境を悪化させる可能性もあるというのが、もうひとつの理由です。
腸内を良い状態に保つことは、妊活のためにもとても大事です。

そういう意味で、鉄を使うかどうかはしっかり分子栄養学を学んだ人に診てもらう必要があると思っています。

もちろん、貧血の状態がひどいときには、まず鉄を摂るということも必要にになるのは当然ですね。
ですから、まずは簡単なタンパク質の増やし方から入っていくのが良いでしょう。

是非、試してみてください!
今回はこの辺りで。

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