妊活を始める正しい順序

東洋医学×分子栄養学

サイトをリニューアルをしたので、昔のブログを整理して再公開しています。

ですので、まずは妊活シリーズをはじめます。
今回は第1弾で、「妊活の正しい始め方」。
以前のブログ記事に大幅に加筆しています。

不妊治療が保険適用に

去年(2022年)の4月に不妊治療が保険適用になりました
もう少し詳しくいうと、体外受精が保険でできるようになったんです。

年齢や回数の制限はありますので、一応上げておきますね。

  • 治療開始時の年齢が43歳未満であること
  • 40歳未満は1子ごとに通算6回まで
  • 40歳以上43歳未満は1子ごとに通算3回まで

参考までに、厚生労働省の「不妊治療に関する取組」のリンクを貼っておきます。

いままでは、体外受精というとちょっと特殊な治療とか、人工的な妊娠というイメージがつきまとっていたかもしれません。

ですが実際の数字で見てみると、生まれてくる赤ちゃんの16人に1人が体外受精なんです。
これって思ったより多いんじゃないでしょうか。

保険の適用になったということは、世の中として「体外受精が一般的な治療として認められた」というふうに感じられやすくなりますね。

そうすると、例えば会社の休みを取るときでも「不妊治療のために有給をいただきます」と言いやすくなったということ。
つまり大手を振って不妊治療を受けやすい環境ができてきたということになります。

「じゃあ不妊治療を始めよう!」と不妊専門の産婦人科をネット検索して行ってみるというのは、ちょっと早すぎる感じです。

その理由は、今回のブログのテーマ「妊活を始めるには順序が大事」だから。
ということで、少し不妊治療についてみていきましょう。

不妊治療の現状

まず不妊治療ってどんなことをするのかを知っておくべきですね。
ということで、不妊治療の中身について見ていきましょう。

これは厚労省のサイトにある図です。
いわゆる体外受精とは、ここにある生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology)のことで、ARTとも呼ばれます。

基本的には、卵子と精子を採って、それを体外で受精させ、その受精卵を培養して(凍結保存すの方が妊娠の確率が高い)、子宮内に移植するという流れになります。

実際にどのくらいの確率で成功するのかも興味がありますね。
それについては、日本産科婦人科学会がデータを出しているので見ていきましょう。
(2020年体外受精・胚移植等の臨床実施成績より)

これは2020年の年齢別の妊娠率、生産率、流産率です。
35歳あたりを境に、妊娠率が下がって流産率が上がっていくのがわかりますね。

生産率とは、妊娠率から流産率を引いた値のことです。
妊娠しても流産してしまうこともあるわけで、この生産率が出生に結びつく数字ということになります。
体外受精では、自然妊娠の場合と比べて流産する率が高いことはよく知られています。

凍結胚を用いた2020年の治療成績を見てみると、移植あたりの妊娠率が36.0%。
妊娠あたりの流産率が24.8%で、移植あたりの生産率は25.5%です。

つまり、体外受精で移植して出産する確率は25.5%ということです。
もちろん、上で見たように年齢とともに妊娠・出産の確率はドンドン下がっていきます。

不妊の原因

次に不妊の原因についてです。
ちょっとネットで調べるといろいろと探せると思うので、簡単にまとめておきます。

原因はもちろん、女性側にも男性側にもあります。
詳しく説明していると大変なことになるので、ここでは日本生殖医学会が挙げている項目に簡単な説明を加えておきますね。

1)女性の不妊症の原因

  • 排卵因子:排卵がうまく行われない状態
  • 卵管障害:卵管に卵子がうまく取り込まれな取り込まれなくなること
  • 子宮因子:子宮筋腫や先天的な先天的な子宮の形態異常など
  • 頸管因子:排卵期のおりもの少なくなって、精子が子宮内へ貫通しにくくなった状態
  • 免疫因子:何らかの免疫異常で精子の通過や受精をを妨げている状態

2)男性の不妊症の原因

  • 造精機能障害:精子の数が少ない、もしくは運動率が低下している状態
  • 性機能障害:勃起障害(ED)と射精ができない射精障害がある
  • 精路通過障害:精子の通り道(精路)のどこかが閉塞しているため精液中に精子がない状態

いろいろありますね。
これらが複合的に絡んで不妊になるわけなんです。

不妊治療を始める前にすべきこと

以上のように見てくると、不妊治療の前にしておくべき大事なことがあることがわかります。

それは何か?
ひとことで言うと、「妊娠できるカラダをつくっておく」ということです。

不妊外来では基本的に妊娠しやすいカラダづくりを手伝ってはくれません。
医師は病気を治すことを専門としているわけで、予防をするための知識をそれほど持っていないと考えていいです。

もちろん、健康を維持したり、ちょっとした不調などを改善するための栄養の知識も持ち合わせていないわけです。

だから、これをしないで不妊外来を受診して保険で不妊治療をしても、妊娠率があまり上がらないんです。

不妊治療が保険適用になったといっても、3割負担ですからそれなりにお金もかかります
概算では、1回の体外受精で諸々合わせると15〜20万円くらいかかるともいわれています。

それも1回でうまく妊娠すればいいですけど、何度か採卵することを繰り返すと、その度に検査や採卵、体外受精、培養、凍結保存、移植などのお金がかかるわけです。

上でも書いたように、体外受精の成功率は約25%といわれています。
しかも、年齢が上がるほどにドンドン成功率が落ちてきます。

ですから、不妊治療を受ける前に食事や栄養、生活などを見直して、ある一定期間カラダを整えて、妊娠しやすいカラダにしてから、不妊治療を始めるべきだと考えます。

そうすることで、妊娠の確率が上がるとともに、不妊治療にかかる費用が抑えられるんです。

そんな妊活の強い味方が「分子栄養学」と「鍼灸」。
分子栄養学は最先端の栄養療法です。

私が分子栄養学を学んだ宮澤賢史先生も、「鍼灸は不妊治療にとても効果があるので必須」とまでおっしゃっています。

その理由としては、骨盤腔内の血流が上がるから。
まあ、僕たち鍼灸師にいわせれば、東洋医学的な視点で身体のバランスを整えるということが大きな理由ですけれどね。

とにかく、このふたつを組み合わせて準備をしっかりすることで、かなり手応えが違ってきます。
実際の治療を通した僕の実感です。

今回はこの辺りで。
妊活に関する栄養などの詳しい話については、また次回以降に書いていきますね。

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