便の世界的な基準って知ってます?

東洋医学×分子栄養学

こんにちは、島田です。

かなり桜も開花してきて、いよいよ春ですね。
そんな春にはちょっとそぐわないかもしれないですけど、今回は便についてです。

ブリストル便形状スケール

便の状態を表す世界的な基準として「ブリストル便形状スケール」( BSS: Bristol stool scale)というのがあるのを知ってますか?
1997 年にイギリスのブリストル大学で開発された基準で、色や形で便の状態を分類しているスケールです。

論文はこちらです。
実際のスケールはこれです(Wikipediaより)。

https://www.kiryu-omlca.jp/wps/wp-content/uploads/2023/03/スクリーンショット-2023-03-23-21.06.39.png

結構こまかく分類されていますよね。内容を簡単にメモしておくと以下のような感じです。

  • タイプ1:ナッツのように固い塊の便(重度の便秘)
  • タイプ2:ソーセージ状ではあるがゴツゴツしている便(軽度の便秘)
  • タイプ3:ソーセージ状だけど表面にひび割れのある便(正常)
  • タイプ4:ソーセージやヘビのように滑らかで柔らかい便(正常)
  • タイプ5:柔らかく小さな塊になっていて形がはっきりしている便(食物繊維不足)
  • タイプ6:小片が混じっていて周囲がデコボコのドロっとした便(軽度の下痢)
  • タイプ7:全体に水様性で固形物がない便(重度の下痢)

こういうものがあると、患者さんも治療者側も便の詳細を知りやすくなりますよね。
日常の臨床で、患者さんの便の性状を知るツールとして使ってみてください。

僕はスマホに保存して患者さんに見せたり、カルテに「BSS Type3」のように記載してたりして使ってます。

腸内細菌のやっていること

ところで、分子栄養学では腸内環境をとても重視します。
腸内環境は、善玉菌、日和見菌、悪玉菌のバランスが大事だといわれていますね。

腸内細菌は嫌気性菌が多いので、いるのはほとんど酸素のない大腸の方で、約1000種類、100兆個もいるといわれています。

逆に小腸は酸素があるので、乳酸菌とかが下部(大腸に近い方)に住んでいるようです。

だから小腸に細菌が増えるのは異常なわけで、食後の腹部膨満感などが出るこの状態のことを最近ではSIBO(small intestinal bacterial overgrowth:小腸内細菌異常増殖症)なんて呼んだりします。

SIBO対策としては、砂糖類や発酵物をしばらく控える必要があります。

腸内環境が良ければ、例えばビタミンB群は1日の必要量の7〜8割を善玉菌がつくってくれるともいわれています。

そのほかに腸内の善玉菌がしてくれることを挙げてみます。

  • 乳酸や酢酸などをつくって腸内を酸性にして悪玉菌の増殖を抑える
  • 腸の蠕動運動を活発にすることで便通を良くする
  • 病原菌による感染や食中毒の予防をする
  • 発がん性をもつ腐敗産物を抑制することでがんを予防する

すごいですよね、腸内細菌。大事に良い子を育てましょう(笑)

便の状態の4要素

この腸内環境の状態をうかがい知るのにとても大事なのが便なんですね。

患者さんに便の状態を尋ねるときには先ほどのブリストル便形状スケールを使いながら次の4つの要素に注目してください。

それが「形・回数・色・臭い」です。

形はバナナ状。
ツルんと1本で出るのが理想です(BSS Type4)。

回数は1日1回以上。
1日に2回くらいあれば、申し分ありません。

色は黄褐色。
暗い焦茶色はタンパク質が未消化で大腸に到達している可能性があるので、消化吸収に問題があるかもなので、要チェックです。

臭いは無臭。未消化タンパク質があると臭くなります。

まずはこの4つをキッチリ尋ねて、患者さんの腸内環境がどんな状態なのかを把握しましょう。

腸内環境を改善する方法

次は腸内環境の改善ですね。

それには大きく2つの方向性がありました。プロバイオティクスプレバイオティクス

プロバイオティクスは、善玉菌を入れてあげること。
プレバイオティクスは、善玉菌のエサを入れてあげること。

腸内環境が良ければ、栄養アドバイスが色々とうまくいくようになりますので、患者さんの腸活指導、頑張ってください。

今日はこの辺で。

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