風邪対策に必要な栄養、教えます!

東洋医学×分子栄養学

こんにちは、島田です。
いつも読んでいただいて、ありがとうございます。

立春が過ぎたので、本格的に新しい歳ですね。
あらためて「本年もよろしくお願いします」(笑)
春とはいえ寒さもまだまだ厳しいので、風邪など引かないように気をつけてください。

ということで、今日は分子栄養学的な風邪対策を書きましょう。

内容は、風邪の予防や引きかけのときに患者さんにする栄養アドバイスです。

鍼灸界では「風邪を治せて一人前」などとよくいわれます。
でもゾクゾクっとしても、すぐに治療院に来られない患者さんは多いですね。

ですから、普段からこれから書く内容をアドバイスしておくと、患者さんからの信頼感がより強まると思います。
是非とも、皆さんの臨床やご家庭で活かしてください。
僕自身も、いつもこの方法で風邪を乗り切ってるので、オススメですよ。

まず結論。
ビタミンCグルタミンです。
理由も含めて詳しく書いていきますね。

グルタミンの重要性、知ってました?

アミノ酸について

ビタミンCはわかるけどグルタミンって何だったっけ?
そう思ったかもしれません。

グルタミンはアミノ酸です。
アミノ酸といえば20種類、国試のときに覚えましたね。
もちろん忘れてて構いません(笑)

必須アミノ酸9種類とそれ以外の非必須アミノ酸の大きく2つに分かれてました。
これはあくまでも重要度ではなくて、体内で合成できるかできないかの区別です。

ただし、外から摂るしかない必須アミノ酸はバランスが大事なんです。
足りないものがひとつでもあると、十分なタンパク質の合成できないから。
これを桶(オケ)理論と呼びます。

1つの必須アミノ酸を桶の一枚の板に見立て、9枚でひとつの桶ができていると考えます。
1枚でも短い板があればそこから水が漏れてしまうので、その短い板の高さまでしか水を貯められない(タンパク質の合成ができない)ということ。

それぞれのアミノ酸の必要量を100としたとき、その食品に含まれるいちばん少ない必須アミノ酸の量を%で表したのが、アミノ酸スコアです。

この数値が100に近いほど必須アミノ酸のバランスが良い食品ということになります。
動物性食品には100のものがかなりあります。

ところで、栄養療法の世界では吸収率が高い動物性タンパク質しっかり摂ろうといわれます。
「ホエイプロテインをガンガン摂りなさい」って、よく聞きます。
まあ、胃が弱い人にはちょっとツラいですね。

ところが、最近の研究では動物性と植物性を併せて摂るのが良いとされています。
理由は動物性は吸収スピードが早いけど持続時間が短く、植物性はゆっくり吸収されるけど長時間持続し、筋肉分解を抑制する効果が高いからです。

要は、肉ばっかりとか野菜だけとか偏りすぎない方が良いということですね。

グルタミンって?

話をグルタミンに戻します。

グルタミンは非必須アミノ酸です。
昆布などに含まれている旨味成分のグルタミン酸(これも非必須アミノ酸)とは別物です。

筋肉中に存在するアミノ酸の中で50〜60%を占めていて、血漿中に最も多いアミノ酸で、とても重要なのに不足することも多いので準必須アミノ酸なんて呼ばれています。

ストレス時に胃腸機能や粘膜機能を助ける働きがあって、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療薬としても使われています。

一般的に栄養療法でいわれている作用を列挙しておきましょう。

  • 骨格筋タンパク合成促進
  • 分解抑制
  • 小腸粘膜細胞の主要なエネルギー源
  • 大腸粘膜の重要なエネルギー源
  • 腸管でのナトリウム・水吸収促進
  • 腸管粘膜バリア機能維持
  • 免疫系細胞の主要なエネルギー源と賦活作用
  • 膵外分泌作用の主要なエネルギー源
  • 分裂細胞の核酸合成の促進
  • 創傷治癒促進
  • 抗うつ作用

どうです、すごいでしょう?

どんな食材に含まれているの?

このグルタミンが多く含まれている食材についても紹介しておきましょう。

  • 魚類
  • 肉類
  • 海藻類

ただし、グルタミンは水や熱、酢などの酸性の食品に弱い性質があります。
サラダや刺身など生で食べられれればいいんですけど、意外に食品からは摂りにくいんです。

じゃあどうするかというと、ここはサプリメントです。
錠剤だと含まれている量がかなり少ないので、オススメはパウダーです。

どこで買うのかというと、AmazonでもiHerb(個人輸入だけど簡単)でも買えます。
「L-グルタミン」という名前で売っています。
国内のドラッグストアやコンビニではほとんど売っていません。
500gくらいで2〜3千円くらいかなぁ。

風邪っぽいときの摂り方と注意点

タイミングとしては、風邪の引きはじめのゾクゾクっとしたときに摂ります。
できるだけ、ビタミンCと一緒に摂りましょう。

たいてい粉末のグルタミンには容量10mgの計量スプーンが付いています。
1日の摂取量は、上限40mgくらい。
風邪の引きはじめなら、10〜20mgで大丈夫なことが多いです。

これってアミノ酸ですから、すぐに吸収されます。
20〜30分くらいで効果が現れるので、ちょっとビックリしますよ。

僕の場合ですけど、喉の痛みがあっという間に取れちゃいました。
個人差があるとは思いますが、是非試してみてください。
そういえば、コロナでも効果があったという患者さんがいました。

グルタミンを摂るときの注意点

栄養素は摂るときに注意しなきゃいけないこともあります。
あくまでも、分子栄養学の考え方でしっかり効かせられる量を摂っているときの話ですけど…。

グルタミンを摂ると便秘傾向になる人がいるので、お通じを確認しながら摂りましょう。
あと、自閉症とかの子は、興奮性が増すことがあるので、こちらも注意が必要です。

ビタミンCもとっても大事!

ビタミンCって?

次に、ビタミンCについてです。
ビタミンCは人間は体内でつくれないので、「ビタミン」です。
ビタミンは基本的に体内でつくれない栄養素でしたね。
ちょっと例外もあるけど…。

じつは、ビタミンCが体内でつくれない動物って意外と少ないんです。
ヒトと霊長類の一部(チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなど)、モルモット、コウモリの一部くらいです。

突然ですけど、ヤギはもちろんつくれます。
ヤギは、普段はヒトに換算して1日に約11gのビタミンCを体内でつくってるんだけど、病気になると78gに増えるといわれています。
これは健康時の約6〜7倍。

それだけ病気のときにはビタミンCの必要量が増えるってことですね。
体内でつくれないヒトなら、風邪を引いたら摂った方がいいのは何となくわかるでしょう?

ビタミンCの体内での濃度の違い

話は変わりますけど、栄養素を何のために摂るかの基準として、その栄養素の体内での濃度という基準があります。

簡単にいうと、濃度が高い臓器の問題があれば、その栄養素を摂ると良いってことです。
そういう意味で、ビタミンCの濃度がいちばん高い臓器は副腎で血液中の約150倍、次に多いのは白血球で約80倍なんです。

副腎はまた別の機会に詳しく書きますけど、白血球に多いってことは免疫系と関係があるってことですよね。
そんなこんなで、風邪にはビタミンCなんです。

風邪のときの摂り方

次にビタミンCの摂り方です。

予防的な摂り方としては、毎日1000mgを1日3回程度。
ゾクゾクっとしてから摂る場合は、1000mgを1時間おきに連続で摂ります。
これは、ビタミンCの血中濃度をある程度保つときにもっとも効率的な摂り方なんです。

ビタミンCは水溶性のビタミンなので、余分にに摂れば基本的に尿から排泄されます。
摂りすぎの副作用としては、便が緩くなることぐらいです。
逆に、緩くならなかったら、まだ足りないということもいえますね。

以上、分子栄養学的な風邪対策でした。

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